SSブログ

鎌倉 瑞泉寺 [写真]

2009年6月13日

錦屏山 瑞泉寺(きんぺいざん ずいせんじ)

夢窓国師が建立した寺は風光明媚で水があることが、
条件となっているそうであるが、瑞泉寺も鎌倉の中心部から離れ、
二階堂をさらに奥まった、静かな環境に佇んでいる。

庭は凝灰岩の岩壁を削り、池を掘り、僅かな島を残し水を入れる。
山頂からは富士も望めるもう一つの景色も見れるというが、
今は立ち入りが禁止されている。
また作られた滝も、残念ながら水量はあまりない。
この庭が1969年まで埋まっていたことが幸いして、
鎌倉時代の庭園が残る原因になったのではないだろうか。

土門拳がこの庭を写している。
同じ視線でファインダーを覗ければいいと、
希望を持ってこの寺に向かった。

寺域に入ると左手に散策道があり、
季節柄、紫陽花がたくさん咲き誇っていた。
(1)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5617.jpg

山門へ向かう途中の苔むした階段。
左端の丸みを帯びた石に惹かれて。
(2)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5650.jpg

その途中に羊歯を見つける。
ソテツの木もあり、ここは温暖な気候だろうと思う。
(3)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5653.jpg

開山堂の弓連子(ゆみれんじ)
(4)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5675.jpg

庭園貯清地・石窟
土門拳のアングルで狙ってみるが、
帰宅してみるとやはり光の拾い方が全く違う。
土門の撮影は、わざと曇りの日を選んで撮影しているのではないか。
光と影の差を無くし、ディティールをすべて写し撮ることに重きを置いていると思われる。
やぐらの中、影になった部分もきっちりと岩の線が写りこんでいる。
私が撮影したものは、光と影の差が激しく、洞窟内の影の部分は黒く潰れてしまっている。

1974年に撮影しているからか、木の多さ、滝、池の水量、
岩の色がかなり変化しており、現在のほうが自然に近いとは思うが、
人が手入れしている「庭」としては、土門が撮影した時の方が、
それらしい趣きを感じる。
(5)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5682.jpg

正面から天女洞を写す。座禅窟である葆光窟(ほうこうくつ)は、
右手にあるというが、この洞でも座禅を組んだであろう。
土門は、国師はここに座して、
池に映る月を眺めている姿を想像している。
私も作庭の思想はともかくも、
日々の修行はこの場所ではなかったかと感じた。
(6)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5697.jpg

開山堂横にある建物の裏には石仏が何体も並べられていた。
(7)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5715.jpg

地蔵菩薩立像が奉られている地蔵堂。
昔、ここの堂守が転職を考えてると、「どこも苦だよ」と諭したと伝えられるお地蔵さん。
厳しいお顔に切れ長の眼。袖の衣文の処理も柔らかである。
錫杖を持つ右手が若干大きく持ち方が優雅である。鎌倉後期~室町の作か。
(8)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5721.jpg

おそらく書院。
(9)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5741.jpg

お寺を去る前にもう一度庭園に足を運ぶ。
682年前に削られたであろう石を狙う。
(10)EF80-200mm F4.5-5.6
IMG_5779.jpg

自分なりに気に入ったアングル。
個人的にはコントラストが強いほうが好きかも。
(11)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5787.jpg

大塔宮のバス停まで戻る道に咲き誇っていた紫陽花。
日の光を遮る木を切ったりと、地域の人々によって大事に育てられているのが分かる。
(12)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5805.jpg

夢窓国師坐像
開山堂内の右手に夢窓国師の座禅像が安置されているが、
僅かな隙間からしか拝観できず残念である。
像は鎌倉風で裳懸が左右に分かれた形をしており、
国師の凛とした佇まいを今に伝えていると思う。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。