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鎌倉 薬王寺、浄光明寺、寿福寺 [仏像]

2009年5月23日

浄光明寺の阿弥陀三尊を訪ねるため鎌倉に向かう。
鎌倉駅西口から北に向かって歩き出す。
寿福寺を超えて、横須賀線の踏切を渡り扇川沿いに歩いていると、
浄光明寺へ曲がる道を過ぎて、さらに北へいってしまった。
その先の案内板は薬王寺を記していたので、まずはここに向かうことにした。

大乗山 薬王寺

岩船地蔵堂を右に折れ、少し行くと左側に石塔が見え、
さらに奥には、寺へ向かう階段が見える。
上ると境内は誰もおらず、工事の音が響いていた。
境内の左には、さらに山に向かう階段が続いており、
上には小振りな御堂が建っている。

階段途中から本堂屋根を望む
(1)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
IMG_5281.jpg

観音堂は僅かに扉が開いており、暗がりの中に観世音菩薩像が見える。
江戸時代だろうか。まだ金箔も残っており像高は160cm前後。
モデリングも一般的な観音像で、特に目立った特長は無かったが、
眼力はある。右足を少し前に出し膝を曲げている。

観音堂の裏にやぐらがあり、釈迦如来と四菩薩の石仏がある。
右側の二菩薩。溶けているように見えて不思議な形になっている。
顔は角度によって表情があるようにも見える。
(2)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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(3)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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岩船地蔵の屋根
(4)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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泉谷山 浄光明寺

創建は建長三年(1251)で、開基は(幕府第六代執権)北条長時、
開山は真聖国師真阿である。当初は持戒念仏の寺であったが、
今は京都泉涌寺派の古義真言宗寺院となっている。

足利尊氏と弟の直義の保護も篤く、位牌も今に伝えられているとのこと。
室町時代にかけて繁栄を築き上げていったが、
その後は足利氏と栄枯盛衰を共にし、衰微していったそうである。
「浄光明寺敷地絵図」を見せてもらうと、
ほとんどの寺域が宅地に変わっていったことが分かる。

境内は谷戸の平場に主要伽藍が建ち、その奥を二段に切り開いており、
一段上に阿弥陀堂、収蔵庫など4つの建物が立ち並び、
周りにはやぐらと石仏が置かれている。

崩れ落ちた石塔と石仏
(5)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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石仏の三尊像。
(6)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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収蔵庫には阿弥陀三尊像が保管されている。
意外と大きい三尊像である。左側には矢拾地蔵が厨子の中に立つ。
この阿弥陀像は、一度も寺から出したことがないらしい。
左から勢至菩薩、阿弥陀如来、観音菩薩で檜の寄木造で玉眼である。

説明によると、鎌倉中期にあたる1299年に作られたことが、
調査の際に願文が出てきて判明したそうである。
残念なのは、仏師の名前が虫食いで判明していないことである。
不思議なことに阿弥陀仏にもかかわらず宝冠をかぶっている。
釘などで止められているわけでもなく、被せてあるだけだという。
寺の宗旨も真言宗になったことで(大日如来に見せる?)、
誰かが置いた時にそのままになったのではないかと思われる。

造仏が鎌倉中期ということもあり、
この時代は宋との貿易が盛んになり、
六浦からかなりの文物が輸入されただろう。
その影響もあってか、仏像にも宋風の影響があるという。
が、私には宋風とは何かが分からない。
影響としては天平時代を模倣した定朝様式とでもいえばいいだろうか。
両脇持の傾き、表情にそれらを感じた。
さらに右の観音は秋篠寺の技芸天にニュアンスが似ていた。

鎌倉には七体の土紋模様の仏像があるらしい。
その中でも最大の模様が、この阿弥陀如来にはあるとのこと。
この模様が湿気に弱いらしく、雨の日の拝観をやめている理由とのこと。
前回の覚園寺で土の模様の話をしていたが、あの「鞘阿弥陀」も、
土紋模様について話をしていたのかもしれない。

上の平場へ向かう入り口
(7)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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さらにこの階段を登ると小さな平場にでる。
「間」とも呼べる愛らしい空間である。
(8)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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平場からの景色。海まで望める。(写真はズーム使用)
実際はもっと両サイドに開けた景色です。
(9)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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石造地蔵菩薩坐像(綱引地蔵)が坐すやぐら。
(10)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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平場の上には冷泉為相の墓がある。
これは登ってきた階段を上から写したもの。風が心地よかった。
(11)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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亀谷山 寿福寺

鎌倉五山第三位で北条政子の墓などでも有名。
中門から先へは進めない。本堂を望むだけである。

その本堂を望む。
(12)EF50mm F1.8 II
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趣のある参道。
(13)EF50mm F1.8 II
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