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横須賀 清雲寺、満願寺 [仏像]

2009年5月17日

二回目の横須賀。
三浦三十三観音霊場が一ヶ月間、
5月18日まで開帳しているというニュースを今更ながら入手。
今年は丑年で中開帳にあたるそうで実に12年ぶりのご開帳とのこと。
ちなみに本開帳は午年に開催される。

行けるのは今日一日。しかしながら33ヶ所も回るのは無理。
どこに行くかの判断材料としては、
国の重要文化財に指定されている仏像の有無で絞り込む。
調べると清雲寺と満願寺にあることが分かり、しかもこの二寺は地図で見ると近い。
この二寺を目指して京急線に乗る。

北久里浜駅からはバスに乗って・・・と考えていたが、
駅から降りてバス停に向かうと、大勢の若者が列を作っている。
やはり道中も静かに行きたいと思い、
そそくさとタクシーに乗り込み清雲寺に向かった。

大冨山 清雲寺

大通りから少し道を入ると、鎌倉のように幾つもの谷戸が枝分かれしている。
その一つを山裾沿いに登っていくと、三十三観音巡りの幟が見えた。
(1)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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境内は静かで、近江にあるお寺と同じく住居も建てられている。
案内を請うと、小学生の男の子が出てきて、御堂を開けてくれる。
正面に木造観音菩薩坐像(重文)で通称、滝見観音と呼ばれている仏像、
右側には木造毘沙門天立像が置かれていた。

本堂
(2)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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滝見観音は、南宋時代に中国の江南地方で制作されたものと伝えられており、
泉涌寺の楊貴妃観音と技法が似ていると言われているが、
残念ながら見える状態ではなく、裳の部分がようやく見える程度の暗さ。
半跏かどうかも判然としない。
見える裳部分だけでいうと、幼稚な線刻でしかない。
一方の毘沙門天立像も見えない。申し訳ないが見えなければ拝観にならない。
困ったなと思っていると20人程の団体さんが入ってきた。
これは退散するしかないと思い、早々にこの寺を後にした。

十臂十一面?の石仏
(3)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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次の満願寺に向かうが、清雲寺からのアクセス手段が分からない。
地図で近いといっても、歩くと40分程かかりそうだ。
バスの経路で北久里浜行は分かるが、
佐原交差点を岩戸団地側へ向かうルートがどうも分からず、
結局歩くことにした。夏でなくて良かった。

岩戸山 満願寺

ここも谷戸の一つを奥に向かって歩いていく。
道沿いに流れている小川はホタルが出るらしい。
満願寺の前にはマーガレットが咲き誇っていた。
(4)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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本堂
(5)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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境内に入ると「左側にあります」と案内してくれる。
そこにはコンクリート建ての宝物館があり、中には四体の仏像が堂々と立っていた。
左から毘沙門天、菩薩形立像、地蔵菩薩、不動明王である。
清雲寺と違い、すぐそばで拝観できるのはやはりうれしい。

菩薩立像は、やはりインパクト強い顔をしている。
左手には蓮を持ち、腰をひねり右足を前に出している。
目尻をほんの少し上げた細かい仕上げが素晴らしい。
毘沙門天と不動明王、菩薩立像と地蔵菩薩は、
各組で近い時期に作成されたのではないか。
毘沙門天と不動明王の玉眼は通常よりもかなり大きく、
瞳は黒だが虹彩部分があでやかな金色で塗られている。
また毘沙門天の邪鬼は神社の狛犬のような顔立ちで、
これまでになかった表情である。

少し離れ、正面から菩薩立像と地蔵菩薩全体を見ると、作りは良く似ているが、
裳裾など細かい部分の作りに違いがあり、
それが総体的に技量の違いを際立たせている。
おそらく地蔵菩薩は菩薩立像を真似て作成されたものだろうと思う。

裏山を登ると、観音堂が残っていた。
四体はここに設置されていたのだろう。
(6)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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観音堂-2
(7)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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三浦大介義明の子、佐原十郎義連の墓(伝)
灯篭がエンタシスというのも珍しいし、壁のデザインも余り見ない。
(8)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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旧観音堂に登る石段に変わったデザインが彫られていた。
何か意味があるのだろうか?
(9)EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM
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